2016/08/11(木) 対馬一周1日目⑥ 豆酘崎

豆酘崎に向けてどんどん進む。最初はそこそこ広かった道もだんだん狭くなってきた。もはや対向車が来たらひたすら戻るしかないみたいな道になった。

15分くらいそんな道と格闘すると、キャンプ場みたいなところの駐車場に出た。そこの見晴らしが割とよかったので少し停車する。でも先の方にもっと進めそうな道があったので、降りずにどんどん進むことにした。

もはや訳の分からんくらい細い道になった。これ対向車来たらマジでやばい。どっちかがバックすることになるけどバックしたほうが確実にガリッとなるやつ。このアクア無傷ってさっき滑舌の悪いトヨタの兄ちゃん言ってたから。

恐怖の道を5分くらい進むと灯台が見えてきた。ここが先端ということだ。

ちょっとした都会のコンビニレベルの駐車場があった。びっくりすることにそこに先客がいて、車に乗り込んで今から帰っていくところだった。お互いが神がかったタイミングで豆酘崎に出入りしたことと、こんなところに人が来ているということに二重に驚く。

とりあえず灯台の方へと向かった。道は二手に分かれていて上る道と下る道があるようだ。上る方に灯台があるのでそっちに進んでみることにした。

景色がすごくいい。一面が海で、下は林でその下が崖。漁船やらブイやらが点在している。音もいい。心が穏やかになる気がした。

 

ひたすら坂を上がって、階段を上って灯台に到着すると草ボーボーだった。どうやら観光要素がある灯台ではないようだ。海上保安庁がどうのと書いてある。しゃあないので戻る。なんか崩れかけた建物があったけどこれは何だろう。

さらに坂を上っていく。耳を澄ますと波の音が聴こえる山登りって斬新だと思う。一番高いところを抜けて下っていくと岬があった。なんか鬼の像みたいなのがあって丸山はそれに興味を惹かれていたようだが別にそれはどうでもよくて、自分はその先の光景に目を奪われた。

絶景だった。東尋坊など目じゃないくらい凄まじい景色。日本海の大パノラマが見える。高い崖から岩がせり出していて、その上が道になっていた。その道を通り、行ききった先には、碑が立っていた。

ほんとにとんでもない景色で、これまで目にした景色の中で、間違いなく1番凄まじいやつだった。3人とも息をのんでその圧巻な光景を見る。

写真を撮ったり水を飲んだりして堪能して、元来た道を戻っていった。

 

途中、後ろからでかいカメラを構えたおっさんが来る。そこそこ観光客はいるっぽい。となるとさっきの道で帰るのが不安だなあと思う。

豆酘崎をぐるーっと一周して元のところに帰ってきた。途中の道はあまり整備がされていないようでいろんなものが落ちていた。軍が使ってたっぽいコンクリの穴みたいなのもあった。中に布もあってそこそこ怖かった。最後の方の勾配がすごくてきつかった。

断崖絶壁を一周するというレアな経験をして、車に乗り込んだ。

また恐ろしいことに新たな観光客が来ていた。今から元の道に戻るのがほんとに恐ろしい。どうか対向車来ないで欲しい。来たとしたら丸山と案野さんを降ろしてオーライオーライをやらせてすげえゆっくりバックしよう。

心配は杞憂に終わり、1台ともすれ違うこともなく元の道に戻った。

2016/08/11(木) 対馬一周1日目⑤ 厳原南

ナビを広域にセットし、今対馬のどのあたりにいるのかという情報が分かるようにしておいて、いざ南下を開始する。

途中丸山が、お船江というよく分からないものを見たがったので探す。駐車場が見当たらなかったので道をぐるぐるする羽目になる。結局駐車場がなかったのでそこら辺の空き地に停めて、自分は車の中で待機し、2人を見に行かせた。

旅行というのは楽しいけど、疲れていることに気付かないことが多い。意外と疲れていた。1人になると気が抜けて眠くなってきた。もう1回駐車場を探してぐるぐる回ってみたが結局なかったので元の空き地に戻り、2人を待った。ぼやっとする。

 

20分くらいして2人が戻ってくるのが見えた。一緒に帰ってくればいいのになんでか車道の両側に二手に分かれて帰ってくる。喧嘩中のカップルにしか見えない。面白くてにやけてしまった。

なんか満足したらしい。それはよかったですな。とりあえず車を発進させる。

レッドキャベツ(2軒目)やらほっともっとがあるところを抜ける。その辺はまだ道も広かった。だんだん道が狭くなっていった。最初は海が見えていたが次第にただの勾配がすごい山になっていった。そして対向車がマジで来ない。この辺からは運転という名の作業である。

車内ではラジオが流れている。対馬らしく韓国語のラジオだった。いろいろチャンネルを回していると、高校野球が流れてきた。このままにしてくれと心の中で思うが丸山がすぐ変えてしまった。まあ案野さんともども野球は全く興味ないと言っていたから仕方ない。こともあろうに丸山は外国語講座のチャンネルに合わせた。もはや韓国語ですらない訳分からん言語の訳分からん例文を勉強するチャンネルである。いろいろ気にはなるが果たしてこの番組を聴いている人間は日本に何人いるんだろう。

 

で、なんか道を間違えたらしく、対馬の海岸沿いを時計回りにぐるーっと周って豆酘(つつ)というところに行くはずだったのだが、対馬南部を西に横断する道に行ってしまったらしい。まあ多分大丈夫。

しかし思ったより快走路だった。アスファルトで綺麗に舗装されていて片側一車線になることもある。想像していたよりはいい道だ。

途中川に降りられるところがあったので車を停めて降りてみた。岩がごつごつしたところを清流が流れていてきれいなところだなと思う。丸山が向こう側にいたのでそっちの方に行ってみると靴が濡れ、靴下がべっちょべっちょ音を立てるようになってしまった。最悪である。

岩のところをよく見ると信じられないくらいでかいサワガニがいて対馬の固有種かと思う。岩を伝ってひょいひょい行っているとつるっと滑って川に落ちそうになる。危ない。少しリフレッシュして再び車を走らせた。

そこから30分くらいずーーっと走っていると、「豆酘崎」の看板が見えた。そういえばそんな先っちょスポットがあると書いてあった。これは行くしかない。即座にウィンカーを出して、奥まった道の方に進んでいった。

2016/08/11(木) 対馬一周1日目④ 厳原

歩いた距離はなんでもないのに暑さのせいで3人とも疲弊していた。真夏のお昼に歩きまわりゃあこうなる。自分はほっかむりみたいなことをしているからよかったが後の2人は帽子とかそういう装備がないし水分も枯渇していた。

そんな訳で、対馬市観光センターに再び戻る。自分と丸山はレッドキャベツというスーパーをぐるっと周り、物価やら品ぞろえを見てみた。離島だからそこそこ足元見た値段設定になっているのかと思いきや別にそんなことはなく防府よりちょっと高いくらいかなと思った。

おびただしいほどの水分を3人とも買い、なんでか冷房のきいてない広場でぐだーっとし、トイレ行ったり喋ったりして、再び出発した。とりあえず厳原を散策してみようということになる。

今思えば夜ここで泊まるんだから、夕方でも夜でも歩けばよかったのだ。炎天下で歩くことはなかったと思う。

丸山は古い港が見たいらしい。そんなもんは防府にもいっぱいある。中関にもあるやんか。とか言うと歴史的な港らしい。なら行ってみようか。

海沿いの町をぐるーっとするとなんか古そうな港はあったもののよく分からなかった。道路と海はきれいなのだがいかんせん、ゴミがたくさん落ちている。なんかもったいないところだなと思った。そして海底になんか沈んでいてなんだろうと思ったら自転車だった。水がきれいなためにそんなもんが投棄されてるのが見えて皮肉なもんだなと思う。誰が捨てたんだろうか。

途中、対馬バーガーKIYOというお店に入ってみたら昼の仕込みのぶんが終わったから作るのに40分かかるということで仕方なく出た。ここはまた機会があれば来よう。

 

作りかけのファミマとかを見ながら元の観光センターのところに戻った。時間は15時半くらいである。夕食は19時からの予約。割と時間が余っている。こんなときどうする、というのはあらかじめ話をしていた。

それは対馬南の探索である。どれだけの規模の集落なんだろうということや、山っぷりや交通量が気になっていたのだ。

そんな訳で厳原を更に南下することになる。案野さんに決定権はない。とりあえずクリーンセンターとかあるらしいけど他は何も情報もない。未開の地を進むイメージだ。とりあえず地下駐車場に戻り、車に乗り込む。だんだんとアクアに慣れてきて、前のダッシュボードにペットボトルを詰め込んだり財布やら眼鏡やらを好き放題置くようになってきた。

これから2~3時間、山道ドライブの始まりである。

2016/08/11(木) 対馬一周1日目③ 厳原

万松院を出て再び対馬市観光センターへ。地下駐車場に車を乗り入れて、ひとまずご飯を食べるところを探すことにした。

中をぶらぶらする。割と大きなショッピングセンター?である。品ぞろえもいい。リュックを買おうか悩む。

飲食店はモスバーガーとうどん屋と博多一番どりの3つ。いっせーので3人で出してうどん屋に入った。

中に入ると割と客がいたものの店員が見当たらない。と思ったら徐におばちゃんが席を立ちあがって水を持ってきた。お前店員だったんかよ。

そんなこんなでうどんを食べる。カツカレーうどんとかいうよく分からんものを食べた。ごく普通のカレーうどんにごくふつうのカツが乗っていて、家でも作れそうとか野暮なことを思った。あと再び席に戻ったおばちゃんが半ケツだった。

 

ご飯を食べてから再び車を出して今度は金石城跡を見に行くことにした。車を走らせると大きな城門をくぐった。丸山はお目当てのものがないらしくあれーとか言っていた。左折して進むと車はどんどん山沿いを上がっていく。しかも道が極狭い。これは違うだろうということでUターンさせてもらって戻った。山を降り、再び坂を上がって、ジェットコースターみたいな角度で降りるとなんか駐車場があったので停めた。

対馬民族歴史資料館というところらしい。雨森芳州の碑もあった。中に入って対馬の歴史を見学した。

全く縁もゆかりもない対馬ではあるが、歴史を知るのは案外楽しいものだった。1番楽しかったのは歴史年表だった。宗さんちの歴代将軍?藩主?がずらずら書かれていて、その時に起こった歴史的な出来事がすべてまとめてある年表。意外と短命だなーとか足利家のこの将軍が好き!とか、つーか大火起きすぎじゃね?とかいろいろ盛り上がった。あと鹿の剥製にびびる。

資料館を出るとおそらく韓国人の大群がぞろぞろとこちらに向かってきていていた。ニアピンだった。館内は誰もいなかったので快適だったが、あの大群(推定30人)と一緒に見学するというのはあまり望ましくない。そういえばさっきも店の中で日本語じゃない言語(たぶん韓国語)が飛び交っていた。対馬って国外からのお客さんも多いんだなと思う。

 

車に戻っている途中、丸山は金石城跡をまだ見ていないので見たいと言う。wikipediaには確かに城の写真がある。そんな訳で、車を停めっぱなしにしたままさっきの城門まで歩いて行った。

やっぱり城跡ないよな、門しかないし。潰したか燃えたんじゃないか。

車に戻って作戦会議を行う。これが割と距離があって暑かった。さっき万松院に行ったけど、その奥に行くまでに右にあった石垣が怪しい。なんかあるんじゃないかということでふたたびさっきの万松院に行く。同じところに車を停め、歩いた。

そこは庭園だった。城跡ではない。中に入りたかったが休園と書いてあったので諦める。さっきの城門が奥の方に見える。城門があって庭園がある。じゃあ城跡はあの辺にあるはず。庭園の横道を進み、奥の方に行ってみた。

するとさっきの城門のところにするっと出た。あれこれ考えて出た結論は、このでかい空き地に城があったのであろうということ。そして、wikipediaに載っているこの城の写真は、この城門をうまいこと写しているのであろうということ。

なんとなく歴史ミステリーを解き明かしたようなよく分からんような気分になりながら一応の結論を出し、さっき車で通った道を通り万松院に戻る。とにかく暑い。

2016/08/11(木) 対馬一周1日目② 厳原

対馬やまねこ空港に到着。空港が小さい。

トヨタレンタカーの窓口に行ってレンタカーの受付をする。空港の外に案内されるとアイシスが停まっていた。アクアを借りるはずだけど。とりあえず荷物を積む。車内で聞いたら送迎の車だった。そうですか。

やたら滑舌の気になる店員さんに受付をしてもらい、アクアを借りる。これしか開いてなかったのだ。割と高かったけど燃費はいいから結局トントンになるかも。アクアは傷がないらしいので傷=お前のせいだぞ、と念を押されながらいざ出発。

美津島の辺りから厳原へと向かう。しかし山が多い。あと地味に車も多い。対馬の大動脈とかいう片側一車線の道。こりゃ混むわ。

途中でダイレックスとかドラッグストアモリとかいろいろ見る。ベスト電器もあった。やたら看板がでかかった。

 

しばらく運転していると長い長いトンネルに差し掛かった。それを抜けると厳原の町に出た。警察署やら建物がたくさんある。丸山曰くこんなとこは対馬でここだけらしい。

大きなビルを建設中でクレーンがごうごう音を立てていた。その横に対馬市観光センターがあった。右折してとりあえず奥の方に行く。

なんか昨日地図を見たときに、中心部から左の方にぐーっと入っていく道があって、丸山がその辺にいろいろ史跡があるから行きますみたいなことを言っていたのを思い出した。今その道に入っていっているのだろう。

なんやかんや言いながら結局一番奥のとこまで行った。車を停める。

 

万松院(ばんしょういん)と言うところらしい。簡単に言うと対馬をかつて治めた宗さんという一家のお墓らしい。なんか荘厳なところだ。丸山はテンションが上がっている。自分はよく分からんが比較的無理めにテンションを上げた。案野さんがどうだったかは知らん。

丸山曰く、対馬といえばここみたいな場所らしい。

入場料みたいなのを払って中に入った。暑い。じりじりする。

中はそんなに整備されている感じはしない。ところどころ草は伸び放題だし通路もどこなのかよく分からない。ただ史跡らしくそこらに灯篭とか、歴史っぽさを感じるイミテーション的な何かは点在していた。

ぐるーっと周って石段を登る。百段以上ありそう。

登るといろんな墓があったがどうにも日本っぽい墓ではない。異文化なものを感じる。石段の途中に早速お墓コーナーがあった。上の方には大杉があった。太かった。

1番上には宗義智やら義真とその妻の墓があった。ところどころ看板が薄れていて読めないところも多かった。

丸山はそのあとなんか上の方に行っていたが、上の方はいろいろ折れてたり看板が完全に読めなくなっていて凄絶だったらしい。

とにかく暑くてほっかむりしてみた。涼しいんだか暑いんだか分からん。家族連れのうち子どもがこっちを見ていた。案外観光客が多い。外人も来ていた。対馬を選ぶとは渋い外人だなあ。

下山して、トイレに寄って、アイスを買おうか迷って買わず。車内に戻った。