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綾鷹ステマクラブ

旅行記とか雑感とか、忘れる前にとりあえず書いてます。

歯医者で治療

 先日来、歯医者に通い口腔内の治療をしている。と書くと難しいが、要は虫歯治療をしている訳だ。

 

 事の発端は、歯に歯石がついていたことだった。歯科衛生士をしている母に「歯石のようなものがついているから見てほしい」と相談したところ虫歯が発覚。母も歯科衛生士として歯科医院に勤めて早20年になるから、さすがプロの目といったところである。次の日、仕事を定時で切り上げて、人生で初めて歯医者へと向かった。いや、初めてというか、昔滑り台から落ちて前歯を4本歯ぐきにめり込ませた時以来になる。その時の記憶はないし、そもそも虫歯のせいで行った訳ではないから、初めてというカウントで問題ないだろう。奇しくも向かった先はその幼少期の悲劇の際搬送された病院だった。

 

「虫歯の治療で来ました」

「はい、こちらは初めてですか」

「幼稚園の時に来たらしいです」

「・・・、問診票を書いて待合でお待ちくださいね」

 

 院内には美人な女性が数人いた。おそらく歯科衛生士だろう。待合室で多少待ってから、その女性に連れられて治療の台に座った。先ほどの恥ずかしい会話を聞かれてはいないだろうか。よだれかけもどきみたいなのを装着される。この人僕のことを幼児扱いしてないだろうな? ていうかちょっと手術台と似てていやだなあ。あの時はすぐ麻酔されて意識を失ったけど。

 

 虫歯は4本もあったらしい。幸いなことに初期段階のため、諸悪の根源を根本からぶっこ抜くといった物騒な治療はせず、4本全て、削って何がしかの塊を注入したり、銀歯にするだけで何とかなるらしい。ということで早速その日、前歯にできた虫歯を治療することになった。

 

 美人の歯科衛生士さんが自分の口腔内を真剣に覗き込み、あれやこれや触り、柔らかい部分をびろびろ触り、どう治療しようかと思案している状況。これが不思議でしょうがない。いったいこの人はこんな美人に生まれて、どうしてこの人の口に手をつっこみ続ける職業を選んだのだろう。たまに目が合う瞬間が気恥ずかしいから、僕は目をつむることにした。

 目をつむると否が応でもやられていることを想像することになる。カチャカチャいうメカニカルな音が僕の口の中からまろび出る。歯と器具が触れ合って歪なハーモニーを奏でている。変な感じ。いったい何をされているのか見当もつかない。いや、まあ虫歯やら歯石の確認をしているんだろうけど。

 というか、医学において、ホモサピエンスの口腔内で上下に生え揃う28本の歯の治療を専門とする分野があるだけでもなかなかなことだと思う。歯だよ? 人体いろいろあって、その中から歯だけを専門として成り立つ学問。医学部とか専門学校に入って、様々な選択肢があって、その中からわざわざこの道を選ぶ理由がよく分からない。内科や外科と比べて、医療ミスのリスクが少ないから? 小児科と比べて患者が大人しく座っているから? 産婦人科と比べて休みが取りやすいから? まあ、いろいろあるよな。肛門科と比べたらだいぶマシなのだろうという謎の結論により脳内会議は閉廷された。

 

 麻酔をされた。予想はしていたが、口の中に注射をされるというのは痛い。すごく痛い。自分の場合、ダイエットの副作用かなんか知らんけど歯ぐきがやせ細ってしまい、感覚も鋭敏になってしまっている。そこに容赦なく突き込まれる大槍。ああ新選組原田左之助はこのように人を殺めていたのか。はたまた戦時中の小市民はこのようにしてメリケンどもを突き殺す鍛錬をしていたのだろうか。やっぱね、刺されると痛いんよ。やたら深くまでお刺しになるし。あー、やっぱり毎日の歯磨きが適当だった。1日3回はしてたけど歯間まで磨けてはなかったな。磨いたつもりになってたわ。回数じゃなくて精度も大事だ。1回の通院で1本しか治療しないらしいので、毎回この痛い注射を受ける訳だから、1×4=4回注射をされることになる。その事実に辟易する。竹槍であと3回も突き殺される訳だよ。米兵の気持ちが分かる気が致しました。果たして竹槍で突き殺された米兵が実際いたのかは知るところではございませんが。ていうか麻酔の薬が苦え。全部奥の方に注入してくれたらいいのに。

 

 そんな訳で第1回目の削って埋めての治療が終わった。ガリガリ歯を削って、なんかしらの薬品を注入して、青いコテみたいなのでピーピーやったら、即座に薬品が固まって虫歯が治ってるって凄い。治療中に喉奥の方に水が入ってきて苦しかったけどな。それより昔は虫歯になったらどうしてたんだろう。諦めてたのかな。今と違って歯ブラシもデンタルフロスもないだろうし。無論歯医者なんてものもないはずだ。そういえば歴史ドラマに出てくるおっさんって歯抜けが多いイメージがあるけどそれと何か因果関係があるのかも。僕は初診料と治療費を払い病院を出た。結構高かった。

 

 高い治療費と引き換えに虫歯を治療したが、麻酔の後遺症がすごかった。全然しゃべれない。飲食もしづらい。口が不自由なことによる弊害が大きい。脳梗塞とかで顔の半分がマヒしてしまった人とかってこんな感じなんだなあ。僕のはあと数時間で治る保証付きだからいいが、懸命にリハビリして治るか分からないけどとりあえず治さなきゃいけない人の絶望感とか苦労とか、想像を絶するものがある。口って大事なんだなあ。口内炎とかも辛いもんね。どれだけ日常生活で口というものに依存しているか、治療を終えてまざまざと実感する。口は災いの元というが、2個目の意味に今のを付け足してほしい。あと日ごろからモンダミンとか使って感謝を伝えてやろう。

 

 とりあえず注射と麻酔が辛かったがあと3回の治療があるのだ。美人歯科衛生士の人の手を口に突っ込んでもらえる機会もあと3回ほどある。歯科衛生士がハゲのおっさんとかだったら予約をすっぽかすところだ。治療は苦痛極まりないが、美人歯科衛生士の手を口に突っ込んでいただけるおかげでトントンになっているのかもしれない。今度は治療中に目を開けていようと思います。

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